民主党 中野区議会議員 中村延子 なかむらのぶこ

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名義:中村延子後援会
2018.02.20

区長の施政方針説明に対する一般質問を行いました

 



1.施政方針説明について
(1)これまでの区政運営について

まず、区長選挙の公約に関する質問を行います。
区長は、平成146月に行われた中野区長選挙において28年を公約に掲げ初当選をされ、これまで416年勤められてきました。28年の任期満了後の3期目に出られる際は、自らが提案をした自治基本条例の多選自粛の条項「区長の任期は312年まで」とする条例が可決したことで、3期目の立候補が理解されたとご判断され、立候補されました。4期目の選挙に出馬される際は、ご自身で提案され成立していた自治基本条例の多選自粛の条項を削除する条例改正案を議会に提出し、可決され立候補をされました。そして、今回の施政方針説明の中では、「現在の任期は本年6月をもって終了しますが、引き続き区政を着実に前に進めるべく全力をもって臨んでいく決意を新たに致しました。区民の皆様のご判断を仰ぎたいと思っています。」と、6月の区長選挙で5期目の挑戦をされるご意向を表明されました。

私たち会派はこれまでずっと多選の弊害を訴えてきました。今、それがいろいろなところにあらわれていると感じています。区長は、4期目の選挙前の中野区議会定例会で、自らが作られた多選自粛規定に関し、期数を区切って交代を求めることは、多選による弊害を回避するためには、一定の有効性があるという考えは変わらないとご答弁されています。4年前は多選の弊害についての自らのご見解を述べられているところでありますが、今回の施政方針説明では触れられておりません。多選の弊害についての、現在の区長のお考えをお聞かせください。

 (区:一般的に多選によって首長が漫然と任期を重ねることで自治体の行政が停滞あるいは偏ったものになるという弊害の可能性があるという議論があるということは認識をしています。しかしながら、期の短い首長であっても行政が停滞したり、偏ったものになるということは当然おきうるわけであります。期数そのものがそうした弊害の原因であるということではないという認識を私はもっています。仮にそうした弊害があると仮定したとして、そうした弊害を回避するためには候補者がビジョンを明確に示して選挙戦が行われ、区民がそれを判断する。その結果の区政運営を踏まえ、成果の評価と次なる目標について選挙で主権者の判断を仰ぐ。このことが民主主義の王道であると考えておりまして、多選が即座に区政の停滞や偏りの弊害を招くというものではないというふうに考えているわけであります。)

 
施政方針説明の中では、たびたび区政の継続性について主張されているところでありますが、今後の区政課題はいつ辞められても残ってしまうものと考えます。本当に継続性が必要なのであれば、今の区長がやられている仕事を引き継げるだけの人材を自らが育成し、後世につなげていく事こそ、多選の弊害の回避、そして継続性の担保ではないかと考えますが、お考えを伺います。

区:今回継続性について述べているのは、現在進行している事業や構想を停滞させたり後退させてはならないということであります。首長が交代をすれば、理念やビジョンが変わる事になり、現在進行中の事業も変更されるわけであります。そうしたことは、今日の中野区政ではあるべきではないというのが私の考えであります。)

平成26年区長選挙で、区長は選挙公報のこれまでの実績の中に「開かれた区政運営」の項目で、自治基本条例の制定、区民の知る権利、意見表明権を保障と記載されました。果たして、この実績は文字から伝わる内容となっているのか、疑問です。自治基本条例にのっとり、区民説明会やパブリックコメントは確かに行われています。一方で、参加された区民説明会で区民が何を発言しても、パブリックコメントで意見を寄せても、意見が反映されることはほとんどないように感じます。過去5年間の反映状況は、意見交換会13件、パブリックコメント2件でした。ほとんどが、文言の訂正やわかりやすい表記などにとどまっています。実施するか否かも区の裁量によって決められています。4年前に自治基本条例を改正した際には区民説明会やパブリックコメントの手続きはとられませんでした。そもそも、区民説明会やパブリックコメントは何のために行われているのでしょうか。自治基本条例の前文にある区民の意思に基づく決定と運営が、今の中野区では行われているのでしょうか、見解をお伺い致します。

 (区:区民参加については、自治基本条例に定める意見交換会やパブリックコメント手続きのほか、区民の声や対話集会、各種施策に関わる区民説明会、区民の参加する外部評価などPDCAの各段階において様々な角度から実施をしております。こうして出された区民の多様な意見については議会のご意見と併せて、充分に踏まえた上で、区として総合的に判断して施策の構築、検証、改善につとめており、そのひとつひとつをすべてを施策に反映することができないということはあると思っていますが、自治基本条例の精神にのっとって、そうした手続きをしっかりと区政運営ん中に活かしていると考えております。)

区長が作られた自治基本条例の理念は素晴らしいものだと考えています。すべての区民が納得する計画を作ることは難しいですが、できるだけ多くの区民にご理解いただけるよう最大限のコミュニケーションはとるべきです。「どうせ意見を言っても反映されないのであれば、説明会に行っても仕方がない」という声をよく耳にします。説明会の場で、区民からの質問に「もう決まったことだから」という意見を聞き入れない姿勢に大きな失望を持たれている方も多くいらっしゃいました。本来、意見交換会やパブリックコメントは区民と区のお互いの信頼関係を構築するコミュニケーションの場であるべきですが、区側の姿勢により、例えば区立幼稚園の民営化や区立保育園の民営化、江原公園の区立認可外保育施設建設、東中野桜の木の伐採、哲学同公園再整備など、最近では違う運動体にまで発展をしてしまうケースも増えています。区民の不安や懸念に寄り添う姿勢は非常に重要だと考えます。改めて、自治基本条例の理念に立ち戻り、区民の多様な参加を保障し、区民の意思に基づく決定と運営が行われるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 平成223期目の区長選挙の選挙公報には「24時間365日どこでも区役所」のタイトルで、区の窓口を毎日8時まで開庁と記載をされています。区議会の議事録を確認しましたが、区の窓口を毎日20時まで開庁するという議論は確認できませんでした。28年区長を経験された後に出馬された選挙公報に書かれた公約です。この公約を実現するために、庁内でどのような議論が行われたのかをお示しください。また、なぜこれまで議会への報告がなかったのかも同時にお聞かせください。現職が掲げられた公約であれば、根拠があって記載されるものと考えますが、見解をお聞かせください。

(区:24時間365日どこでも区役所につきましては、窓口の開庁の拡充とあわせて電子申請手続きの拡充、区のHPでの各種案内や、申請書ダウンロードサービスの提供などの取り組みで進めてきたところであります。区役所窓口の夜間休日開庁につきましては、窓口最適化計画に基づきまして平成224月に平日夜間の窓口開庁時間を毎週火曜19時までから毎週火曜と木曜の20時までに拡充するとともに、休日窓口を第3日曜日から毎週日曜日としたところです。この実施状況を踏まえまして窓口開庁の更なる拡充を目指したところでございますが、平成233月に東日本大震災が発生しまして、逼迫した電力需要に対応するため、夜間休日窓口の一時停止など節電対策を講じたところでございます。なお、こうした区としての緊急対策につきましては、「がんばろう日本緊急対策中野2011」として平成236月に策定しまして、議会にも報告させていただいたところでございまして、今に至っているところです。)

平成26年第一回定例会区民委員会に出された資料「ごみ減量と資源化推進の今後の進め方について」の中では、家庭ごみ有料化について、平成276月に「家庭ごみにおける費用負担の導入に係る素案」が提出される予定でしたが、その際には提出されず、未だに出されていません。一方で、平成28年に策定された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中では計画に位置付けられております。今回の施政方針説明の中では、「ごみ減量と資源化率の一層の向上を図る…」と家庭ごみの有料化には触れられておりません。4年前の区長選挙における区長の選挙公報なども確認いたしましたが、家庭ごみ有料化に関する記載を見つけることはできませんでした。家庭ごみ有料化は当然区民に新しい費用負担をお願いする話ですが、10か年計画に位置付けられ区民に新たな費用負担を求めるのであれば、争点として隠すのではなく、公約として明記をし、区民の審判を仰ぐべきです。見解を求めます。

 (区:区は平成26314日の区民委員会への報告の中で、家庭ごみにおける費用負担の導入に向けた検討の方向性を明らかにし、この間、ごみ分別アプリの配信や、陶器・ガラス・金属ゴミの資源化など、ごみの減量と資源化に総合的に取り組んでまいりました。今後もこうした施策を進めることにより、家庭ごみの費用負担の導入に向けた環境を整えていきたいと考えております。)

 次に10か年計画に関連してお伺い致します。区長は、施政方針の区政の将来に向けた取組の中で、「昨年度からスタートした第3次の新しい中野をつくる10か年計画に基づく区政運営は着実に軌道に乗っています」とおっしゃっています。一方で、たった2年しか経過していない中で、すでに計画に変更がされてきている箇所も見受けられます。例えば、温暖化対策推進オフィスは、現在の賃貸借契約終了後に売却予定となっていました。平成298月の区民委員会で、「中野区温暖化対策推進オフィスの廃止及び廃止後の施設活用について」が報告され、区政課題の解決を図る観点から総合的に検討の結果、売却はせず、地域の懸案事項である区民活動センターの整備及び喫緊の課題である保育定員の確保に活用することが報告されました。その後の議会では、施設の活用に変更もありうるととれるようなご答弁もありました。10か年計画では地球温暖化対策推進オフィス売却の収入を環境基金に積み立てる計画でしたが、売却しないとなると環境基金がどうなるのか、また公共施設マネジメントなど多方に影響が及びます。
これは一例ですが、いくつか2年の間に計画が変更、または進んでいないものも出てきています。これで本当に10か年計画に基づく区政運営は着実に軌道に乗っていると言えるのでしょうか。見解をお聞かせください。

(区:10か年計画や基本構想で描く10年後の中野のまちの姿を実現するために中長期的な目標と戦略を示す計画であり、目標の達成をするための手段である事業につきましては、PDCAサイクルの中で目標達成を目指して展開しているところでございます。したがいまして、個々の事業内容や事業量は常にその成果を把握し、社会経済状況の変化を見据えながら、見直しを行っている為、取り組み内容や時期につきましては、状況に応じて変動することもやむをえないと考えているところであります。将来像の実現にむけた施策の基本的な方向に変更はなく、10か年計画に示す様々な取り組みにより、目標に向けて区政が着実に進んでいると認識しています。)

10か年計画の改訂プロセスでは、改訂素案の中で唐突にU18プラザの廃止や区立幼稚園の民営化が示されました。子どもたちの健やかな育ちと学びに何が必要なのか、それを一番に考える子育て支援を進めていかなればいけないと考えますが、そうなっているでしょうか。U18プラザは、中高生の居場所だけではなく、乳幼児親子の居場所としても活用されており、多くの方が利用されていました。U18廃止後の跡地活用として、民間保育園、学童クラブ、子育てひろばを開設する予定ですが、10か年計画に「安心して産み育てられるまち」を掲げ、子ども・子育て支援事業計画に「地域に育まれ豊かに育つ子どもたち」という目標を定めている以上、地域資源を子育て分野同士で取り合うようなやり方はできる限り避けるべきだと考えます。
区は、子ども・子育て支援事業計画が策定をされたおよそ10か月後に、区立幼稚園を全廃し、民間こども園へ転換する方針を示しました。計画には何の記載もなかった方針であり、こちらも唐突な印象を受けるものでした。就学前教育の充実の検討の中では、保幼小中の連携強化を図ることとしており、こうした施策を進めるに当たっては、その時々の現場の状況や課題を的確に把握しておくことが求められます。そのためには区として幼児教育の実践の場を持っておくことが欠かせません。それは保育園についても同じです。平成28年第4号陳情「区立幼稚園存続を願うことについて」と第7号陳情「区立幼稚園の存在意義について再検討を願うことについて」は、平成28年第三回定例会において議会の賛成多数で可決をされていますが、その後の議会では計画を変更するつもりはないと区はご答弁されています。特に子育て施策については、切実な声がある中で、計画を変更するつもりはない区政が「区民とともに創っていく」という姿勢ではないのではないでしょうか。見解を伺います。

 (区:区民の代表である区議会の意思については重く受け止めている必要があると考えている。その一方で、区としてはその時点で最善の方策が何かということを議会での議論や区民の方々の意見も踏まえまして総合的に検討をしたうえで判断しているところであります。今後も社会状況や区民ニーズの変化などに対応しながら、区議会の意思や区民の意見などをじゅうぶんに踏まえたうえで、施策の立案、実行につとめていきたいと考えます。)

現在、中野区ではボトムアップの政策提案がほとんどされていないのではないかと感じています。区には職員提案制度、また区長へのアイデアボックスという制度がありますが、区長の3期目がスタートした平成22年以降は、職員提案制度とアイデアボックスともに提案が1つもありません。仕事において創意工夫や挑戦といった積極的な取り組みへの意欲を奪っているような状況なのであれば、その現状を変えなければいけません。今後、大きく職員の年齢構成が入れ替わり、中野区は新しい発想をもった若い職員が増えていきます。そのような柔軟な発想が気軽に発信できないような風通しの悪い職場であれば、区民にとっても、また中野区にとっても大きな損失です。基礎自治体の職員は、住民に一番身近なところで仕事をしているからこそ職員一人一人の意欲や能力が向上することにより、区民サービスへ直結すると考えます。風通しの良い職場にしていく事が急務だと考えますが、区の見解をお聞かせください。

(区:区では職員の自発的な提案や改善の取り組みとして、平成14年度に職員提案制度、平成15年にアイデアボックス制度、平成16年におもてなし運動を順次開始したところでございます。中でもおもてなし運動は単なる接遇の向上ではなく、業務の効率化を図る改善活動の一環であり、職員の主体的な取り組みによって組織および職員の活性化をし中野区に関わるひとりひとりについて満足度の高い区役所を作る目的として幅広い包括的な活動を展開してきたところであります。また、おもてなし運動でございますが、各部を代表する若手職員で構成される推進委員会が主体となりまして、他自治体や民間企業への視察、区内企業との勉強会など実施するとともに、職場ごとの改善プランの作成や実践、全庁的な発表会を通じまして、職場の活性化や職員の意欲や能力の向上につとめているところでございます。今後もこうした取り組みを通しまして、風通しのよい職場づくりに取り組んでいきたいと考えております。) 

議会から指摘を受けていたのにも関わらず、指摘に耳を傾ける事なく大きな問題に発展した旧桃丘小学校跡地施設の問題もありました。中野区と学校法人タイケン学園との間で旧中野区立桃丘小学校跡地にて事業を行う5年間の協定を締結しました。平成28年3月、タイケン学園は契約期間が過ぎる9月以降も施設を継続して使用する旨を主張。その後調査で、基本協定及び賃貸借契約に違反する行為が徐々に判明したため、訴訟案件にまで発展をしました。契約を締結した直後の平成23年第3回定例会決算特別委員会で、我が会派の酒井たくや議員から、タイケン学園への疑義を指摘していたのにも関わらず、チェック体制が組めていませんでした。この件では、多額の区民負担が発生していますが、建設委員会に経緯を説明したものは提出されましたが、契約の在り方、協定、リーガルチェック、協定事業のチェック体制など、充分な検証と総括がいまだ行われていません。悪いことが起きた時に認めない姿勢は今後も同じ失敗を繰り返す懸念、そして組織の閉塞感にもつながると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

区:旧桃丘小学校跡施設活用事業については、平成298月の建設委員会において主な経過、桃丘小学校跡施設の活用について、土地建物明け渡し等請求訴訟にかかる支出と収入について、総括を行い、報告をしたところであります。現在区は全庁的に契約書や協定書の作成など準備行為からリーガルチェックを基本とするこのことを決定するなど、組織体制を強化しているところであります。)

区でやるべき事業の精査も必要だと考えます。タイケン学園と協定を結んでいた事業は、本来区でやるべき事業だったのか。民間に任せておくべき事業を実施したからこそ、このように区民負担を増やしてしまったのではないでしょうか。地球温暖化推進オフィスの活用やグローバルビジネスなども同様ですが、民間に任せておくべき事業に区が関わる必要はないと考えます。区の見解を求めます。

(区:民間の事業にあっては、民間のみにゆだねた場合、事業採算性などの問題から区内での振興が進まず、区が望むような成果が得られない可能性があるものもあるわけであります。そうした場合、一定程度区がリードして進める必要もあると考えています。タイケン学園との協定により実施した事業については、若い表現活動者の育成やアニメ産業への就職、アニメプロダクションへのあっせん、文化芸術の活動の発信場所としての作品展示や上映活動等の文化芸術の情報発信、地域イベントへの参加などが行われ、街の活性化に一定程度成果があったと認識しています。複雑化、多様化する社会においては様々な主体と連携することで、政策効果を高めることができる事案が今後ますます増えていくところであります。連携にあたりましては、官民の役割分担や税投入の妥当性、こうしたことを十分見極めて取り組みを進めてまいります。)


(2)平成30年度予算(案)について

平成30年度予算(案)は、一般会計が14276800万円で、前年度比1342200万円増、過去最大規模の予算案となっています。承知のように、本年6月には区長選挙が予定されております。他の自治体では、首長選挙が行われる年の予算は本格予算ではなく骨格予算を組むところもあります。平成26年第一回定例会予算特別委員会総括質疑でも区長選挙の年の予算は骨格予算にすべきではないかとの質疑をしたところ、区は「骨格予算を編成することになると、事業の一時的な停滞を招くことになり、少なからず区民生活へ影響を及ぼすことになる。こうした事態は避けなければならない。」とご答弁されています。政策的なものの中には、現在の課題に対応する取り組み、例えば、待機児童対策や子育て支援施策、地域包括支援、また国や都で進めている事業など、どなたが区長に当選されたとしても区民生活への影響が大きく停滞することなく進めなくてはいけない事業も含まれています。一方で、区長選挙を経ることにより、方向性が大きく変わるような事業も今回の予算には含まれております。例えば、グローバル戦略などについては、区長の肝いりで進められている施策ですが、当初予算に含まれていなくても区民生活に影響を及ぼすことはありません。このような施策については、区長選挙の結果を受けて対応を考えるべきです。区の見解をお聞かせください。

区:区民生活にとって欠かすことのできない事業を滞ることなく継続性をもって着実に予算に反映させることが、区民にとって最も重要なことであると考えております。現在提案している予算は、様々な区民との意見交換を重ね、予算編成過程でも公表し更に議会での議論も踏まえたものであります。区政の方向性を定めるものとして、必要な事業をまとめたものと考えており、どれ一つをとっても欠くことのできない事業であると考えております。選挙で仮に方向性の変更が選択されるとすれば、区民の意思に基づいて、これが修正が行われるものと考えております。) 

区長は施政方針説明の中でも度々区政の継続性を強調されていますが、区長選挙が4年に1度行われる意味も考えなければなりません。平成30年度予算(案)にはいくつか新規事業も散見されます。選挙は民主主義の根幹であるからこそ、選挙の年の予算編成はそこを意識したものになるべきと考えます。区の見解を求めます。

 (区:平成30年度予算案における新規の事業は、緊急的な区政の課題に対応したものや、区民や議会からの様々なご意見を踏まえて具体化をしたものであります。課題にそくして進めるべき事業であり、区長選挙の年であることに関わらずこれを停滞させることなく進めることが区民にとって重要なことであると考えているところであります。)

最後に、施政方針説明の全体を通して、区の将来像についてお話になられたほとんどにおいて経済成長が目的のように聞こえます。経済成長は、目的ではなく手段であるべきです。オリンピックパラリンピックをとらえて、「経済構造や人々の生き方・暮らし方など、日本の社会のあり方を転換し、2020年以後も自律的な活力を維持する真に持続可能な社会を作り出していく足掛かりにしていかなければなりません。」とおっしゃいましたが、オリンピックパラリンピックは、本来は世界平和やスポーツ振興、子どもたちへ夢の提供などの視点がまず重要だと考えます。「人口減少社会にあっても持続可能な都市として活力のあるまちを「維持」していくための全員参加型社会」とお話されましたが、全員参加型社会は一人一人が居場所と出番を持つことが出来、イキイキと暮らしていける社会であるべきだと考えます。子育て支援は、すべての子どもの健やかな育ちと学びを第一に考えるべきところ、女性の社会進出の促進と出生率の向上のための子育て支援とおっしゃっています。我が会派は人への投資が未来をつくると考えています。そして、区民一人一人を大切にする区政であるべきと考えます。持続可能な社会を作ることは大切なことだとも考えますが、区民一人一人の暮らしや生活、未来のための区政であるべきと考えます。見解をお伺い致しまして、わたしのすべての質問を終わります。

(区:施政方針説明は、健康寿命の延伸や地域包括ケア体制の構築、安心してできる子育てなど、区民の安心で豊かな暮らしの実現に向けた区政運営について、私の所信の一端を述べたものであります。これらの施策を効果的に実施していくためには、区内経済の活性化と成長も必要不可欠であると考えております。経済成長は手段だという言葉もありましたが、経済成長は手段ではなく必要な条件であります。区は基本構想が描くまちの将来像の実現にむけてこれまで様々な施策を実施をしてまいりました。これらの施策を実施し、区民ひとりひとりが安心して豊かに暮らせるようにするためには、経済や人材など様々な面からまちの活力を維持し持続可能な社会を作っていく必要があります。今後もその実現に向けて全力で取り組んでまいります。)